PROJECT境界線に噛み付く。肌パシャ 撮るスキンケア資生堂ジャパンPROJECT境界線に噛み付く。肌パシャ 撮るスキンケア資生堂ジャパン

「肌パシャ」は、スマホで肌を撮影するだけでさまざまな角度から肌を測定し、肌に必要なものを教えてくれる「肌測定アプリ」。リリース当時、世界初*となるスマホカメラのみでの本格的な肌測定を可能とするスマートフォンアプリとして大きな注目を集めた。2019年にはこれまでのうるおい測定に加えて「ハリ・透明度・シミ・シワ・肌色分析」や、総合結果「美肌チャート」を表示する機能を搭載するなど、さらなる進化を続けている。
※スマホのみで、肌表面を最大撮影倍率で近接撮影し、きめや毛穴等の微細な形状を解析する技術を搭載したスマホ用アプリとして世界初。(2017年11月資生堂調べ)

左: アートディレクター 伊藤(麻)(2007年入社)
中央: ビジネスプロデューサー 久樂(2007年入社)
右: テクニカルディレクター 伊藤(潤)(2016年入社)

PROLOGUE

“スマホでできる本格的な肌測定”という新たな体験価値を生み出した「肌パシャ」。そのリリースまでのプロセスで、リサーチをはじめサービス設計、アプリ開発、クリエイティブ制作、技術コンサルなど一貫したソリューションでプロジェクトを牽引したのがアイスタ資生堂チームだった。「肌パシャ」をターニングポイントに資生堂とアイスタの信頼関係は強固なものとなり、現在では「肌パシャ」のみにとどまらず、ブランドサイトやコンテンツ制作から運用、事業開発サポートなど多岐にわたる領域でパートナー関係を深めている。
「得意先」と「制作会社」という“境界線を越えた”パートナーシップを築くきっかけとなった「肌パシャ」プロジェクト。その担当メンバーに、当時の想いを振り返ってもらった—。

左: アートディレクター 伊藤(麻)(2007年入社)
中央: ビジネスプロデューサー 久樂(2007年入社)
右: テクニカルディレクター 伊藤(潤)(2016年入社)

デザインする。<br>共感を、チームを、ビジネスを。デザインする。<br>共感を、チームを、ビジネスを。

久樂 :  まだ資生堂さんとのお付き合いが始まったばかりの頃、「アプリの開発についてご相談したい」と声をかけてもらったことが「肌パシャ」プロジェクトの始まりでした。このアプリは、技術的なハードルが高い案件になると資生堂さんも考えていたようで、パートナー選定にはかなり慎重になっていました。その点、アイスタはWEBサイト制作だけではなくアプリやコンテンツ制作といった分野でも豊富な知見を持っています。その技術力に裏付けられた提案を評価してもらい僕たちをパートナーに選んでいただきました。
提案した内容を認めていただいたことは間違い無いのですが、それ以上に新しい体験、生活者により良いサービスを創ろうとする姿勢にお互い共感できたのも大きかったと思います。

伊藤(麻) :  これまで数多くの仕事に携わってきましたが、「肌パシャ」ほど調査を重ねて設計した案件はないと感じています。「スマホで肌を測定する」というこれまでにない体験を世の中に送り出すわけですから、いかに生活者に受け入れられるサービスにするか、それを調査に基づいて設計することに重きを置いていました。

久樂 :  プロジェクトが動き出してまず最初に、資生堂さんを含むプロジェクトメンバー全員を巻き込んだワークショップを行いました。このアプリを“どんな生活者”に向けて、“どんな体験”として届けるのか。資生堂さんをはじめとしたプロジェクトメンバーそれぞれの頭の中にあるおぼろげなイメージを洗い出して、共通の意志をつくっていったんです。
参加した方々からは「こういうことをやらなきゃと思ってたんだよね」、「これは私たちじゃできなかった」と嬉しい言葉をいただくことができ、チームビルディングという意味でも重要なステップになった思います。

ユーザー調査をもとに設計された「肌パシャ」のインターフェース

ユーザー調査をもとに設計された「肌パシャ」のインターフェース

どうすれば、生活者のリアルに届く?どうすれば、生活者のリアルに届く?

伊藤(潤) :  ユーザー調査の結果を踏まえて、「肌パシャ」のインターフェースは「肌を撮影する」という新しい体験をまずは身近に感じてもらうことを強く意識して設計しました。また、UX視点ではユーザーが1回使って終わりではなく、日々繰り返し使う体験の流れをイメージしながら、周回しやすい画面遷移を設計していきました。
エンジニアが設計フェーズから参加したことで、より具体性のある提案につながったのではないかと思います。

肌の状態を総合的に判定する「美肌チャート」

伊藤(麻) :  デザインのアプローチとしては「使ってみたい」、「習慣にしたい」と感じてもらえるように、親しみやすさと使いやすさの両立を目指したものになっています。撮影技術に使用されているテクノロジーは最先端のものではあるのですが、デザインではあえてそれを全面に押し出すことはせず、優しい印象が感じられるものになっています。

久樂 :  デザイン提案と並行して行ったのがアプリのネーミング提案でした。このときプロジェクトが動き出してから半年以上が経っていましたが、実はそれまで「肌パシャ」という名前は決まっていなかったんです。
資生堂さんと膝を突き合わせ数十個にのぼるネーミング案を検討した結果、「肌の撮影」というこのアプリの最もエポックなところが、分かりやすくかつ親しやすく伝わる「肌パシャ」というネーミングが採用されたんです。

肌の状態を総合的に判定する「美肌チャート」

鍛えられたサービスは、強い。鍛えられたサービスは、強い。

伊藤(潤) :  実際のユーザーに使っていただかないと使い勝手が良いの分からないので、アプリの完成を間近にもユーザー調査に挑みました。

伊藤(麻) :   調査を受けて、直前になっても改善したからこそ、多くの方に使っていただけていると感じています。

伊藤(麻) :  無事にリリースが決まってからもブラッシュアップは続けました。常に大切にしていたのは「ユーザーに使ってもらうために最適なカタチはなにか」という視点です。例えば、撮影方法を説明するチュートリアル部分ではGIFアニメがいいか、スライドショーがいいか、実際にアプリを使ったユーザーの意見を取り入れながら、どうすれば分かりやすく伝えられるか試行錯誤を繰り返しました。

実行力で、境界を超える。実行力で、境界を超える。

久樂 :  「肌パシャ」プロジェクトでは、制作に着手した当初から現在までかれこれ4年近く、毎週欠かすことなく定例ミーティングを行っています。議題によって参加メンバーが変わることはありますが、そのほとんどに参加して確かな信頼を勝ち取っているのがテクニカルディレクターの伊藤(潤)なんです。

伊藤(潤) :  僕個人としては、信頼関係ができたことに何か特別なきっかけがあったわけではないと感じていて。地道な継続によって日々着実に関係性が深まっていったのだと思います。
よくある受託の関係ではなく、資生堂さんや協力会社も含めたプロジェクトメンバーがみんな横並びでフラットに話せる関係性になれたのは良かったですね。
おかげでバックエンドからアプリ・画像処理と複数分野をまたぐ動きがしやすかったです。

伊藤(麻) :  アイスタの強みはカバー範囲の広さだと思います。コンセプト設計はもちろん、デザインから実装まで、さらにリリース後のPDCAやプロモーションプランまでサポートすることができる。生活者視点と技術起点で発想するからこそ生まれるアイデアというところにも面白さがあります。そんなアイスタの実行力が、このプロジェクトに無くてはならないものになっていたんですよね。

久樂 :  これは絶対に言っておかなきゃと、僕からチームのメンバーに話したことがあって。僕たちは資生堂さんの新しいサービスをつくる運営メンバーの一人だという自覚を持ってこのプロジェクトに参加しよう。だからどんなことも「肌パシャをより良くするために必要かどうか」を判断軸にして動こう、と。
僕たちがこういうマインドを持って向き合っていることを資生堂さんも分かってくれているから、信頼関係ができているんだと思います。

伊藤(麻) :  幅広い得意先の案件を経験しながらノウハウを蓄積できることも私たちの強さで、ひとことで“デジタル制作”と言ってもそこに使われている技術は多岐にわたります。さまざまなプロジェクトで培ったクリエイティブ力や開発力が、新しいサービス開発にも活かされていると実感しています。

久樂 :  プロデューサーとしては、各メンバーが他のクライアントワークで経験やスキルを蓄えて、それを「肌パシャ」プロジェクトに還元してくれていることに頼もしさを感じます。
アイスタは、事業会社のように一つの仕事を専任でやるような環境と異なり、多様な仕事を経験できるチャンスに溢れています。誰もが名前を知っているような大手ナショナルクライアントから新進のベンチャー企業まで幅広く、かつ自動車メーカー、飲料メーカー、IT企業、金融機関など業種もさまざま。プロモーションもあれば、今回のようなアプリ開発もあります。困難な状況でも、さまざまな仕事で培ったエグゼキューション(実行力)によって次の一手を生み出すことができる。それがアイスタならではの強みだと思います。