「既成概念にとらわれない」を掲げる企業と生成AI画像10,000枚プロモーションに挑戦

しなきゃ、なんてない。AI10,000変化

CLIENT
株式会社LIFULL

OVERVIEW

企業メッセージを、人の想像に縛られないAI生成画像10,000枚で伝える。

さまざまな事業を展開する株式会社LIFULLは、既成概念にとらわれない多様な生き方をサポートしたいとの想いから、2018年から「しなきゃ、なんてない。」を企業メッセージとして掲げている。このLIFULLの未来への想いを表現するため、既成概念にとらわれない生き方を体現しているフワちゃんと、現実には存在しないユニークな画像を作れる画像生成AIを活かした施策を実施することになった。
その中で博報堂アイスタジオは、「しなきゃ」に縛られない生き方を表現した10,000パターンのAI画像の制作を担当。AI生成画像はLIFULLのX(旧ツイッター)のアカウントをフォローし、キャンペーン投稿をリポストすると、ランダムで1枚返ってくるXプロモーションとして使われることになっていた。
画像生成AIを使ったプロモーション事例はまだ少なく、しかもタレントを起用した事例を手掛けることは初のチャレンジだったため、ディレクター、デザイナー、エンジニア、プランナー、事務局など多岐にわたる職種で専門チームを結成。著作権侵害の恐れなど、リスクコントロールも必要だったため、博報堂DYグループの法務とも連携し、「10,000枚のAI画像を、リスクヘッジをした状態で納品する」ミッションに挑んだ。

CREATIVE

テクノロジーを駆使し、高品質な10,000枚のAI生成画像を制作できるワークフローを構築。

画像生成AIを使ったプロジェクトは初だったため、乗り越えなくてはならない課題がいくつかあった。まず、短期間で大量の画像生成が必要だが、高スペックな環境を整備するにはコストが掛かりすぎる上に、専門的な知識を持つスタッフが不足していること。また、AIを使った事例が少なく、SNSなどでは画像生成AIを使えば簡単にクオリティの高い画像が作れるような情報もあるため、社内・LIFULL・タレント事務所の間でAIが生成した画像に対する認識のずれがあることも課題だった。
そこで、博報堂アイ・スタジオではクラウド上に画像生成AIシステムを構築し、ワークフローを整備。高価なハードウェアを購入することなく、複数のスタッフで同時に画像生成作業ができるようにした。企業メッセージ「しなきゃ、なんてない。」を伝えられる画像イメージをプランニングし、基本のプロンプト(AIへの命令文)を作成、制作をスタートした。
しかし、今の画像生成AIは、人間の構造や文化を完全に理解していないので、イメージ通りの画像をすぐに作れるわけではない。そのため、人がプロンプトを調整して画像生成を繰り返し、10,000枚の納品に対して数倍の画像生成の必要があった。当初はプロジェクトメンバー間で生成スキルに差があったが、サンプルを生成しながらプロンプト作成のコツやAIが苦手とするポイントなどのナレッジを資料化して共有するなど、クオリティの差がなく画像生成できるように密なコミュニケーションを心がけた。
プロンプトの調整は、基本プロンプトを元にバリエーションを作成。AIの経験が浅いスタッフでも画像生成AIの特性を理解して作業できるようにすることで、高品質な10,000枚のAI画像納品を実現した。

VALUE

新規技術を活用したクリエイティブプロセスの進化に貢献。

LIFULLのX(旧ツイッター)のアカウントをフォローし、キャンペーン投稿をリポストするとランダムでAI画像が1枚返ってくるプロモーションは、スタートして1週間強で2.6万リポストを達成。新規性のあるプロジェクトは多くのメディアにも取り上げられ、ユーザーから多くの好意的なコメントが寄せられた。
このプロジェクトは事例がほぼ存在しない新規性の高いプロジェクトであったが、クラウドなどを活用した新たな制作環境とワークフローを開発することで課題を解決。また、AIなどの新規技術を活用する際には、基準やルールが整っていないために権利関係や炎上などのリスクが伴うが、社内の専門スタッフや法務と連携してリスクを最小限に抑える運用を行い、炎上などのトラブルがほぼ起こることなくリスクヘッジをすることができた。今後のクリエイティビティの可能性を広げるとともに、新技術を使ったクリエイティブプロセスの進化に大きく貢献したと考えている。

STAFF

更新

  • Producer

    Kazuhiro Hara

  • Director

    Tomoaki Takao

  • Interactive Director

    Tomoya Ikeda

  • Planer

    Yuiko Tate

  • Art Director / Prompt Engineer

    Takumi Maezawa

  • Technical Director / AI engineer

    Yoshihiro Takano

  • Technical Advisor

    Daisuke Ikuta

  • Campaign Director

    Yoko ​Ogasawara

  • legal Affairs

    Naotaka Kuramochi

  • Technical Director

    Yosuke Sakanaka

  • Front-End Engineer

    Tomonori Nomura , Kyohei Sonokawa