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DX支援パートナーに博報堂アイ・スタジオを選んだ理由

生田 大介(執行役員)
2025-07-26
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博報堂アイ・スタジオ(以下、アイスタ)で執行役員を務める生田です。

当社とNAGASEグループとのパートナーシップは5年以上にもわたり、長期間様々なプロジェクトで連携させていただいております。

今回はアイスタとの出会いから現在に至るまで、長瀬産業様のデジタルマーケティングを推進しているマーケティング推進室のキーパーソンである、室統括 成瀬雅則さんと姫井佐恵さん(現 ナガセヴィータ株式会社 デジタル戦略・業務変革推進リーダー)を交えて、DXの一環としてのデジマ推進プロジェクトを振り返りました。

アイスタとの出会いはグローバルサイト制作

(写真:姫井佐恵さん)

生田:アイスタと長瀬産業様とのお付き合いが始まったのは、確か製造子会社の食品分野におけるグローバルサイトの制作でしたよね。

姫井佐恵さん(以下、姫井):アイスタさんとのお付き合いが始まったのは2018年で、主要製品の1つのグローバルサイトの新規制作でした。当時は海外戦略を立て直そうとしていた時期。販売が思うように伸びず、海外向けデジタルマーケティングをやり直そうと考え、その一環で主要製品のグローバルサイトを作ることにしました。

日本語で作ったWebサイトをただ英語で翻訳するのではなく、英語が母国語の人たちとしっかりコミュニケーションを取れるような海外視点のWebサイトを作りたいと思い、いろいろなところに声をかけました。その中のひとつが、博報堂さんに紹介いただいたアイスタさんでした。

成瀬雅則さん(以下、成瀬):グローバル対応ができると謳っている会社はたくさんありますが、ただ単に英語が話せるスタッフがいるだけでは、我々の要望には応えられなかったと思います。

その点、アイスタさんは英語力だけではなく、コミュニケーションも現地の人たちと同じ感覚を持っています。白黒ハッキリ付けるだけではなく、交渉しながらお互いの白黒をハッキリ付けるところは付けて、米国チームとコミュニケーションを重ねながら最適解を探っていただけます。グローバルコミュニケーションでは交渉力は欠かせないスキルですよね。

姫井:日本人の私は時々ヒヤヒヤしましたが(笑)、現地のPR会社にとっては「自分たちと同じ感覚を持っている」と安心感につながり、信頼されるようになりました。アイスタさんを通じたお互いの考えを理解し合うことができ、順調に制作を進めることができました。

生田:公開後の社内の反響はいかがでしたか?

姫井:新たなグローバルサイトを公開してから、今まで取れなかった地域からもアクセスがあり、結果を残すことができました。我々がやってきたことが間違いではなかったと証明できましたし、アイスタさんへの信頼度も大きく上がりました。

サイト制作からセキュリティ環境の構築

(写真:成瀬雅則さん)

生田:最初の数年はグループ会社のWebサイト制作におけるUI/UX設計のお手伝いが続きましたが、2022年ごろからサイト制作だけではなく、長瀬本社主導のデジタル環境の構築部分にも関わらせていただけるようになりました。

成瀬:NAGASEグループ内にも新たに複数のWebサイトを制作しましたが、デジタルマーケティング戦略にはまだまだ課題がたくさんありました。デジタルマーケティングの実施は米国で先行して始まり、その戦略をグローバルに展開しようとしていましたが、それに関する課題も少なくありませんでした。

米国にはデジタルマーケティングのプロフェッショナルが集っていてプラットフォームは最新鋭のモノが導入されましたが、NAGASEグループの本当の強みがWeb上で再現しきれずに悩んでおりました。

姫井:そんな課題を感じていた時、外部からセキュリティの問題を指摘されました。今はサプライチェーン全体でセキュリティを担保しなければならない時代で、この問題を解決しないとビジネスにも大きな影響が出てしまいます。

NAGASEグループには70あまりのサイトがあったのですがすべて見直して、セキュリティが担保できないサイトを閉鎖したり移動したりしなければならなくなりました。

そこで新たなデジタルプラットフォームの構築とセキュリティ環境の設計を引き受けてくれる会社を探すためにアイスタさんにも声をかけました。

生田:アイスタはサイト制作会社という印象が強いと思うのですが、なぜサーバーセキュリティ領域でも声をかけてもらえたのでしょうか?

成瀬:アイスタさんのそれまでのサイト制作の対応を見ていて信頼できると思っていたこと、さまざまな専門スキルを持つスタッフがいること。

これまでのお付き合いでインフラ周りのことを担当しているスタッフがいることもわかっていたので、お声がけしました。数社の提案を受けましたが、セキュリティを担保できる環境を構築するアイスタさんの提案が一番現実的だったので、お願いすることに決めました。アイスタさんには私たちの要望を的確に引き出すヒアリング力があり、一番やりやすい形を考えてくれたと思います。

米国から日本へ。デジタルプラットフォームの移管

(写真:生田大介)

生田:2022年のセキュリティ対策から2023年はさらに踏み込んで、米国からデジタルマーケティングの管理の主導権を日本へ移しました。

姫井:セキュリティの件が象徴的でしたが、NAGASEをWeb上でより深く再現するため、NAGASEを深く理解している日本チームにデジタルマーケティングとWeb管理の主導権を日本に移すことにしました。

言葉にすると簡単なのですが、米国で作ったAdobe社が提供しているCMS(AEM=Adobe Experience Manager)を途中から引き受けて日本で管理・運用してくれるサイト制作会社なんてありませんよ。米国が技術もルールもすべて管理しておりましたので、現地スタッフとの内容確認や役割分担と連携などが必要でした。

成瀬:これはもうアイスタさんしか引き受けてくれません(笑)。移管プロジェクトが始まった当初、NAGASEの米国スタッフとの調整やシステム内容の確認など、CMSサプライヤーとアイスタさんでチームを組んで頂きながらの半年がかりの大仕事でした。

アイスタさんのスタッフが日本の長瀬産業の技術スタッフかのように交渉しているうちに、NAGASEの米国スタッフとすっかりひとつのチームのような団結力が出てきたのです。それはアイスタチームが真摯な対応をして、米国チームの信頼を勝ち取ったからであり、今では強固な信頼関係のもと協力して運用いただいています。本当にありがたいことだと思っています。

生田:デジタル戦略を米国主導から日本主導に移管するということは、単純にインフラを移管するだけではなくて、そこに付随する様々な業務も日本で行うことになります。

姫井:別プロジェクトもアイスタさん頼りです(笑)。70以上のサイトを見直すために、事業部やグループ会社へヒアリングをして、運用支援をしてもらっています。

成瀬:ヒアリングを通して、本社にいる我々と事業部やグループ会社との距離が縮まりました。そのおかげで、こちらからサイトについていろいろな指示を出してもスムーズに進めてもらえるようになりました。アイスタさんのヒアリング力、コミュニケーション力に感謝です!

グローバルプライマリーベンダーに選定

生田:最初はひとつの製品のグローバルサイト制作から、ここまでお付き合いが広がったのは本当にありがたいし、誇らしいことだと思っています。2024年からはアイスタをグローバルプライマリーベンダーとして扱っていただいています。

姫井:当社のデジタルマーケティングの部署は日本では5〜6人、米国も同じくらいの人数。これだけの少人数ではできることが限られ、外部の力が必要になります。アイスタさんにプライマリーベンダーをお願いした理由の1つは米国からのAEMを受け入れてくれた実績があったこと。さらに、かゆいところに手が届くこと。これはヒアリング力が優れているからだと思います。

生田:通常、アイスタの業務はプロジェクト単位でご発注していただき、納品した成果物に対してお支払いいただく業務が多いのですが、グローバルプライマリーベンダーとしてのコンサルティング業務で日々伴走させていただいております。

成瀬:デジタルの世界は高度化、細分化が進み、社内だけでどうにかなるレベルは超えています。さらに、当社のスタッフは少ないので、アイスタさんの専門性が必要になるシーンは非常に多いです。プロジェクト単位の受発注の関係ではなく、常に相談に乗ってくれて、こちらが細かく指示をしなくてもデジタル領域を広い範囲でコントロールしてくれる存在として頼りにしています。

姫井:アイスタさんと話すときは、もはや社内の同僚と話すときと同じ気持ちです。私も厳しいことを言いますが、アイスタさんからも日々厳しいことを言われています(笑)。

無理なものは無理と言ってくれますし、「やっても良いですけど、そうすると姫井さんが大変になりますよ」と受け入れ側の体制も理解してアドバイスしてくれるのでありがたいです。

生田:アイスタがこれまでやってきたことは、長瀬産業様が今後デジタルマーケティングを本格化するにあたって最低限必要なことだったと思います。プライマリーベンダーとしては、土台が整ったこれからが腕の見せどころです。

姫井:本当に!これまで野球をしたくても、グローブもバットもない、それどころかグラウンドも全く整備されていない、という状態でしたよね。ようやくグラウンドが整備されたので、思いっきりボールを投げたりバットを振り回したりしたいです!

成瀬:ボールを投げるにしても、キャッチしてくれるところがないと投げられない。キャッチしてくれるのが、まさにアイスタさん。

我々が投げようとしているボールに「それは違います、ホームランを打たれて致命傷になります」とアドバイスしてくれるのもアイスタさん。アイスタさんがいなければチームとして機能できません。デジタルマーケティングで具体的な成果を出すために、これからもお世話になります!

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執筆者
生田 大介(執行役員)
大手印刷会社に入社後、エンジニアとしてWebシステムやアプリサービス、空間インタラクティブなどの企画から実装を経験。テクニカルディレクター兼UXUIデザイナーとして、大手クライアントを中心に多くの実績を積む。2019年より博報堂アイ・スタジオに参画。オウンドメディアやデジタルサービスのUXデザインやデジタルマーケティング、コミュニケーションプラニングの領域でクライアントのプロジェクトに伴走し、サービスやUXの全体構想からUIデザイン、実装のコンサルティングを行う。執行役員。

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