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マーケティングと営業の連携を成功させる3つのポイント!うまくいかない原因と解決策とは

デジマ担当
2025-12-11
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BtoBマーケティングにおいて、Webサイト経由の商談アポイント獲得は最重要目標です。しかし、「獲得リードが営業の求める質に達していない」「部門間の連携が非効率的」といった課題で、目標達成に悩む現場責任者の方は多くいらっしゃいます。

本記事では、限られた予算の中で成果を出したいと考える現場責任者・担当者の方に向けて、連携問題を解消するための実務的な「型」を提示します。長年の知見を土台に、マーケティングと営業において、MQL/SQLの定義、連携の運用基準、情報共有の仕組みという3つの型を通じて、安定した商談アポイント創出への道筋を解説します。

マーケティングと営業の連携がうまくいかない原因

マーケティング部門と営業部門が最終目標(売上拡大)を共有していても、日々の業務で重視する時間軸と責任範囲が異なるため、部門間の連携は容易ではありません。このズレを解消しない限り、MA(マーケティングオートメーション)などのツールを導入しても、その効果は限定的です。

多くのBtoB企業で連携がうまくいかない根本的な原因は、KPIの方向性が揃っていないことと、リードの引き渡しにおける責任の境界線が曖昧なことにあります。特に、以下の二点が部門間の不満や非効率を生み出す要因となります。

マーケティングと営業で重視する時間軸が異なる

マーケティング部門は、認知拡大や中長期的な見込み客の育成(ナーチャリング)を担当するため、施策の評価軸は比較的長い期間にわたります。一方、営業部門は、今期の売上や短期間での受注件数を求められるため、アプローチの優先順位はすぐに受注につながる確度の高いリードへと傾きがちです。

この時間軸のズレは、マーケティングは確度の低いリードばかり渡してくる、営業はせっかく育てたリードをすぐにフォローしてくれないといった相互不信の原因となります。

定義されていないリードの質が部門間の不満を生む

リードの引き渡しにおける最大のボトルネックは、営業がフォローすべき質の高いリードが具体的に定義されていないことです。MQL(Marketing Qualified Lead)という専門用語は、見込み客の質を測る共通指標として重要です。

  • マーケティング部門はフォーム完了数やダウンロード数をKPIとし、数多くリードを獲得する。

  • 営業部門はすぐに商談可能な状態のリードを求め、質の低いリードのフォローに時間を割きたくない。

リードの質に関する認識のズレが解消されないと、マーケティングが獲得したリードが営業に放置され、機会損失につながります。この問題を解決するには、リードをMQLとして定義し、その定義を両部門で共通認識として持つことが不可欠です。

連携問題を解消する実務的な「3つの型」

1.マーケティングと営業連携の共通言語を作る

部門間の連携課題を解消し、Webサイト経由の商談アポイント数を増やすための最初のステップは、MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティングが営業に渡すべき質の高いリード)とSQL(Sales Qualified Lead:営業が商談を進める準備が整ったリード)の定義を明確に定めることです。

この定義が共通言語となることで、マーケティング部門は目指すべきリードの質を把握でき、営業部門は確度の低いリードに時間を割かずに済みます。

1-1.MQL(Marketing Qualified Lead)の定義を固める3つの視点

MQLの定義を定める際には、単なるフォーム完了だけでなく、以下の3つの視点からリードの購買意欲や適合度を判断する基準を設定します。

・属性(ペルソナ・企業情報):ターゲット適合度
業種、企業規模(売上・従業員数)、役職などが、貴社の提供するソリューションのペルソナに合致しているかを確認します。

・行動(スコアリング):エンゲージメントの深さ
短期間に複数回の資料ダウンロードや特定のソリューションページ閲覧を行ったか、ウェビナーに最後まで参加したかなど、具体的な行動履歴に基づいてスコアを設定します。
参考記事:HubSpotのリードスコアリング完全ガイド|基礎知識から設定方法・活用例まで徹底解説

・意図(コンテンツ消費):購買意欲の高さ
課題解決のための情報収集段階(TOFU)の記事だけでなく、具体的な製品・サービス比較、価格、導入実績など、施策の比較検討段階(MOFU)やパートナー選定段階(BOFU)のコンテンツを消費しているかを重視します。

これらの視点を組み合わせて、例えば「ターゲット属性に合致し、かつ直近1ヵ月で導入事例と料金プランを閲覧し、合計スコアが50点以上のリードをMQLとする」といった具体的な基準を定めます。

1-2.SQL(Sales Qualified Lead)への引き継ぎ基準とフロー

MQLが定義されたら、次にSQL、つまり営業がアポイントを獲得し、商談に進むことが確定したリードの基準を明確にします。SQLのステータスは、アポイントを獲得した時点を指す前提で運用することで、リードのフォローに対する営業部門の責任範囲が明確になります。

引き継ぎフロー

マーケティング部門は、MQLが定義を満たした瞬間にアラートを出し、リードの全行動履歴を添えて営業部門に通知します。この情報が、営業がリードの課題を深く理解し、アポイント獲得率を高めるための準備となります。営業はこの情報を活用し、迅速かつ的確にアポイント獲得活動を行います。

2.マーケティングと営業の責務を明確にする

MQLとSQLの定義という共通言語を定めたら、次にその引き渡しとフォローに関する部門間の運用基準を明確にします。この運用基準を構築することで、リードが部門間で滞留するボトルネックを解消し、アポイント獲得率を安定させます。

2-1.連携の運用基準に含めるべき4つの重要項目

部門間の連携を円滑にする運用基準を設計する際には、特に以下の4つの実務的な項目を明確に定めることが効果的です。

リードのフォローアップ時間(速度)
MQLが生成されてから、営業が最初のアプローチを行うまでの許容時間を定めます。

フィードバックの頻度と形式
営業部門からマーケティング部門に対し、引き渡されたMQLの質や商談化率に関するフィードバックを行う頻度と形式を定めます。

許容できるリードの質の定義
営業部門がリードを拒否できる具体的な条件を定めます。

マーケティングによるMQL提供目標
マーケティング部門が毎月または四半期に提供すべきMQLの具体的な目標数を定めます。

2-2.基準を形骸化させないためのレビューと改善体制

この部門間運用基準は、市場や施策の変化に応じて柔軟に調整し、部門間の共通認識を維持するための運用体制が不可欠です。

定期的なレビュー会議の実施
毎月、責任者が集まり、定めた指標(フォロー時間、商談化率など)をレビューします。具体的なケーススタディを共有し、定義や運用ルールの見直しを行います。

ツールの自動アラート機能の活用
MAやSFAの機能を活用し、基準から外れた状況が発生した場合に、自動で担当者や責任者に通知が飛ぶ仕組みを構築します。

3.マーケティングと営業の連携を最適化する実践的な情報共有の仕組み

MQL/SQLの定義と部門間連携の運用基準が構築されても、リード情報が非効率的に共有されていれば、連携は滞ります。最後の型は、営業部門がアポイント獲得活動を効率的に実行できるように、必要な顧客情報や行動履歴をシームレスに連携する仕組みを構築することです。

情報共有の成否は、何を、いつ、どのような詳細度で営業へ引き渡すかを、営業の活動視点で設計できるかにかかっています。

3-1.営業が成果を出せるリード情報とは

マーケティング部門が営業部門へリード情報を引き渡す際、単にフォーム完了の事実を通知するだけでは、営業はどのようにアプローチすべきか判断できません。営業が迅速かつ的確にアプローチするために必要としているのは、リードが抱える背景にある課題と、購買検討の進捗状況を示す情報です。

営業の成果を最大化するために不可欠な具体的なリード情報には、以下の要素が含まれます。

  • リードの関心度: 閲覧時間の長い特定のソリューションページ、繰り返し見ているコンテンツ、メールの開封履歴など、MAツールで計測されたリードのエンゲージメント履歴。

  • 示唆される課題: ダウンロードした資料のテーマや、閲覧したコンテンツの内容から推測できる、企業が現在直面している具体的なビジネス課題。

  • 検討段階: 競合比較資料、価格表、導入事例といった、購買の比較検討段階やパートナー選定段階のコンテンツを消費しているかどうかのステータス。

これらの顧客情報をMAやSFA(セールスフォースオートメーション)などのツール上に集約し、営業がすぐにアクセスできる状態にすることが、連携成功のための情報設計となります。

あわせて読みたい:顧客の信頼を育むナーチャリング戦略|成果を生み出す具体的な方法とは?

情報をシームレスに連携するツールの活用と設計(MA/SFA/CRM)

情報共有の仕組みを実践的に機能させるためには、MA、SFA、CRM(顧客関係管理システム)といったデジタルツールの連携が必須です。ツール導入以上に重要なのは、部門間でデータが淀みなく流れる情報連携の設計です。

  1. データ項目の統一と自動連携: MQLの定義に必要なデータ項目(例:業種、企業規模、スコア、最終行動日)を、全ツール間で完全に一致させ、手入力なしで連携する仕組みを構築します。

  2. リアルタイムの通知とアラート: MQLの定義を満たしたリード情報は、MAからSFAへ自動でステータスが更新され、担当の営業担当者へリアルタイムで通知される仕組みを整備します。

  3. 双方向のフィードバック設計: 営業が商談の結果や失注理由をSFAに入力した際、その情報がマーケティング側のMAにも反映される双方向のデータ連携を確立します。このフィードバックサイクルにより、マーケティング部門はMQLの定義を継続的に改善し、リードの質の精度を向上させることができます。

この実践的な情報共有の仕組みを構築することで、営業はリードの背景を瞬時に把握でき、情報収集の手間を省いてアポイント獲得というコア業務に集中できる環境が整います。

安定した商談アポイント獲得を実現するマーケティングと営業の連携体制

本記事では、Webサイト経由の商談アポイント獲得を安定させるために、マーケティングと営業の連携体制を最適化するための具体的な基準と仕組みを解説しました。

MQL/SQLの定義、運用基準の構築、情報共有の仕組みといった実務的な設計により、部門間の摩擦を解消し、確度の高いリードへの集中アプローチが可能になります。

しかし、これらの連携体制が最大限に機能するには、組織全体のデジタルマーケティング戦略が明確になっている土台が不可欠です。

もし、連携ルールの構築以前に戦略全体が曖昧な場合や、どこから手を付けるべきか迷っている状況であれば、まずは土台となる戦略を固めることから始めることを推奨します。安定した商談アポイントの創出は、組織全体を見据えた体系的な戦略設計から生まれます。

編集者
デジマ担当
主に自社のWebサイト運用が業務。SEO対策、コンテンツマーケティング、SNSやWeb広告配信、メール配信、アクセス解析ツールを用いた効果測定と改善提案、リード獲得から育成までの施策設計など、デジタルチャネルを活用したインハウスマーケティング業務全般を行う担当者。