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デザインシステムとは?基礎から学ぶ重要性と導入のポイント

デジマ担当
2026-02-13
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デザインシステムとは何か?

デザインシステムとは、企業やプロジェクトにおけるデジタルプロダクトのデザインと開発の統一性を保つために、ガイドライン、コンポーネント、ルール、ツールを体系的にまとめたものです。言い換えると、デザインの一貫性を維持し、効率的に開発を進めるための「設計図」のような役割を果たします。

現代のデジタル開発においては、デザインの一貫性を保つことがプロジェクトの成功に不可欠です。特に、多くのデザイナーやエンジニアが関与する大規模プロジェクトでは、デザインシステムがプロジェクトの効率化を促進し、生活者に統一感のある体験を提供します。

デザインガイドラインやスタイルガイドとの違い

デザインシステムとデザインガイドラインやスタイルガイドは混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持っています。デザインガイドラインやスタイルガイドは、基本的にはデザインに関する具体的なルールや原則を文書化したもので、カラー、タイポグラフィ、スペーシングなどの詳細が記載されています。一方、デザインシステムはこれに加えて、コンポーネントライブラリや設計原則、ツールセットなど、開発全体を支える包括的な枠組みを提供します。

デザインシステムを構成する要素

デザインシステムには主に3つの重要な構成要素があり、これらが連携することで、デザインプロセスの一貫性と効率化を支えています。

デザイン原則とは?

デザイン原則は、デザインシステムの基盤となる理念やガイドラインであり、プロダクトがどのように見えるべきか、どのように機能すべきかを規定します。これらの原則は、プロダクトのデザインの方向性を示し、各デザイナーやエンジニアが個別のタスクを進める際に判断の基準として機能します。例えば、「シンプルで直感的なデザイン」や「アクセシビリティを最優先する」といった原則が設定されることが多いです。

スタイルガイドの役割

スタイルガイドは、デザインシステムの一部であり、具体的なビジュアルルールを提供します。これには、フォントサイズやタイプフェイス、カラーコード、スペーシング、アイコンの使い方などが含まれます。スタイルガイドは特にビジュアルデザインの一貫性を保つために重要であり、プロダクトがどんな状況でも統一された外観を保つことを保証します。

コンポーネントライブラリの重要性

コンポーネントライブラリは、デザインシステムの実践的な部分であり、UIコンポーネント(ボタン、ナビゲーションバー、モーダルなど)の再利用可能なコードやデザイン要素を含んでいます。これにより、開発チームは同じコードやデザインを何度も作り直す必要がなくなり、作業の効率が向上します。さらに、コンポーネントライブラリを活用することで、デザイナーとエンジニアの間でコミュニケーションがスムーズになり、両者が同じ土俵で作業できるようになります。

デザインシステムを導入するメリットとデメリット

デザインシステムを導入することには、多くのメリットがありますが、一方でデメリットも考慮する必要があります。

デザインシステムを導入するメリット

  1. UI/UXの一貫性を保つ
    デザインシステムは、異なるチームやデザイナーが関与するプロジェクトでも、全体のビジュアルやインタラクションの一貫性を維持します。生活者にとっても、統一感のあるUI/UXは信頼感を生み、使いやすいと感じてもらえる要素となります。
    参考記事:WebサイトのCVRを最大化するUI/UX設計とは?リード獲得を成功に導くポイント

  2. 生産性の向上とコスト削減
    一度作成されたコンポーネントやガイドラインは、繰り返し使用できます。これにより、新たなデザインをゼロから作り直す手間が省け、開発時間が短縮されます。また、エラーやミスが少なくなるため、最終的にプロジェクト全体のコスト削減にも寄与します。

  3. コミュニケーションの改善
    デザインシステムを導入すると、デザイナーとエンジニアの間で共通の言語が生まれます。これにより、誤解や認識のズレが減り、スムーズな連携が可能になります。結果として、チーム全体の生産性が向上します。

デザインシステムを導入するデメリット

  1. 初期導入コストが高い
    デザインシステムを構築するためには、初期段階で多くのリソースが必要です。デザイン原則を定め、スタイルガイドやコンポーネントライブラリを作成するのには時間がかかり、導入時には多くのリソースを割かなければなりません。

  2. 柔軟性の欠如
    デザインシステムは、一貫性を保つために多くのルールやガイドラインが設けられます。そのため、システム内での変更や新しいアイデアの導入が難しくなり、柔軟性が制限される可能性があります。

デザインシステム構築時に気をつけるべきポイント

デザインシステムを構築する際には、以下の点に注意することが重要です。

デザインシステムを活用するためのツール

デザインシステムを効果的に管理するためには、適切なツールが不可欠です。以下は、代表的なツールの紹介です。

Figmaでのデザインシステム管理

Figmaは、クラウドベースのデザインツールであり、デザインシステムの管理に最適です。リアルタイムでの共同作業が可能なため、デザインチーム全体で一貫性を維持しながら作業を進めることができます。

Storybookを使ったコンポーネント管理

Storybookは、UIコンポーネントを独立して開発・管理するためのツールです。これにより、コンポーネントの見た目や機能を個別に確認しながら、デザインシステムを維持することができます。

Tailwind CSSでスタイルガイドを構築する方法

Tailwind CSSは、ユーティリティファーストなCSSフレームワークで、スタイルガイドを簡単に構築できます。このツールを使えば、統一されたビジュアルスタイルを効率的に実装できます。

デザインシステムの成功事例

デザインシステムの成功事例は数多くありますが、代表的なものを3つご紹介します。

デジタル庁デザインシステム

デジタル庁は、政府のデジタル化推進を担う機関として、統一されたデザインシステムを採用しています。このシステムにより、複数のプロジェクトにわたって一貫したUI/UXを実現し、生活者が政府サービスを簡単に利用できるようにしています。

URL:https://www.digital.go.jp/policies/servicedesign/designsystem

SmartHR Design System

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」に、「だれでも・効率よく・迷わずに。」をスローガンとしたデザインシステムを導入。デザイナーや技術者以外のステークホルダーにも理解しやすいよう丁寧に説明することで使いやすくし、プロダクトの一貫性を維持、迅速な機能追加や改善を可能にしています。また、toB SaaSのデザインシステムとなっています。

URL:https://smarthr.design/

Atlassian Design System

オーストラリアのソフトウェア企業であるAtlassianは、プロジェクト管理ツールJiraやConfluenceで有名ですが、同社のデザインシステムは、ユーザーエクスペリエンスの向上と製品の統一感を高めることに成功しています。このシステムは、世界中の開発チームが効率的に作業できるよう設計され、10年以上も運用されている耐久性の高いデザインシステムとなっています。

URL:https://atlassian.design/

まとめ

デザインシステムは、デジタルプロダクトの開発において重要な役割を果たしています。UI/UXの一貫性を保ち、開発の効率を高めるための強力なツールです。デザインシステムを効果的に導入し、成功させるためには、適切な原則を設定し、スタイルガイドやコンポーネントライブラリを活用することが鍵となります。

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デザインシステムに関するよくある質問

Q1. すでに社内に「スタイルガイド」がありますが、「デザインシステム」とは何が違うのですか?

A1. スタイルガイドは主に色やフォントなどの「視覚的なルール」を定めたものです。一方、デザインシステムはスタイルガイドの内容に加え、実装可能な「コンポーネントライブラリ(コードを含むUIパーツ)」や、意思決定の基準となる「デザイン原則」までを含んだより包括的な仕組みです。単なるルールブックではなく、開発全体を効率化するツールセットである点が大きな違いです

Q2. デザインシステムを導入する最大のメリットは何ですか?

A2. 大きく3つのメリットがあります。1つ目は、サービス全体で統一された使いやすい「UI/UXの一貫性」を保てること。2つ目は、共通パーツを再利用することで開発スピードを上げ「生産性の向上とコスト削減」ができること。3つ目は、デザイナーとエンジニアが共通言語を持つことで「コミュニケーションが円滑になる」ことです。

Q3. 導入には手間とコストがかかると聞きました。最初から完璧なシステムを作る必要がありますか?

A3. いいえ、最初から完成形を目指す必要はありません。確かに初期構築にはリソースが必要ですが、成功のポイントは「導入する目的を明確にし、小規模からスタートすること」です。まずは、主要な画面や要素から小さく始め、プロジェクトの成長に合わせて徐々に育てていくアプローチが推奨されています。

Q4. 一度作成すれば、その後の管理は不要ですか?

A4. デザインシステムは「作って終わり」ではありません。新しい機能や要件に合わせて、継続的に運用・アップデートしていく必要があります。現場で使われ続けるために、メンテナンスする体制やリソースを確保しておくことが、形骸化を防ぐ重要なポイントです。

編集者
デジマ担当
主に自社のWebサイト運用が業務。SEO対策、コンテンツマーケティング、SNSやWeb広告配信、メール配信、アクセス解析ツールを用いた効果測定と改善提案、リード獲得から育成までの施策設計など、デジタルチャネルを活用したインハウスマーケティング業務全般を行う担当者。
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