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失敗しないMAツールの選び方

田中 剛(マーケティングコンサルタント)
2023-05-09
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CRMにMA機能が付いているもの、CDPとMAが一体になっているもの、MAとSFAとCRMが一体となっているもの。

今やMAツールは非常に多くの製品が乱立しており、選定するだけでも大変な労力がかかるものです。
数あるMAツールのなかからどのようにベストなMAを選んでいくのか、以下に解説してまいります。

MAツール選定の流れ

以下にツールを比較する際に重要になるチェックポイントを時系列で整理しました。

まずはMA導入の目的を定める

まず重要になってくるのはMAの利用目的です。
機能が充実しているMAを選択しても、ほとんどは不要な機能である場合も少なくありません。
重要なのは、必要な機能を網羅しているかどうかになります。

B2BタイプかB2Cタイプかで振り分け

MAツールは大きく、

  • B2B向け

  • B2C向け

の2種類にわかれます。自社のビジネスにあったものを選びましょう。

B2Bに強いMAの多くは、ホットな見込客リストを営業に渡してクロージングする事を想定し、顧客と密なコミュニケーションに特化した製品です。SFAとの連携やSFA機能そのものを内包しているものもあります。
一方でB2C向けのMAは、CDPなどのデータの連携・統合・分析機能に優れているものが多いです。

また、新規見込み客だけではなく何度もリピート注文を促しLTVを上げるCRMの様な既存客に対しての施策にも特化しているのも特徴です。

少ない例ですが、両者を併せ持つB2C/B2B双方に対応した総合的なツールも多く出ており、導入目的にあったものを選ぶようにしましょう。

MAに期待するマーケティングのゴールを定める

次は、MAに最も期待するゴールを定めましょう。

  • 商品の注文なのか?

  • 会員登録なのか?

  • 資料請求なのか?

  • セミナー申込みなのか?

  • 商談申込なのか? 何をゴールとするのかをまず整理します。

見込客をイメージし施策を洗い出す

このフェーズでは、ウェブサイトに訪問する見込客のカスタマージャーニーマップを作成し、サイト訪問からコンバージョンに至るまでの見込客の状態をパーセプションで分けます。
※行動にともなう“認識・知覚の変化”のことを指すマーケティング用語

例えばMAを販売しているA社が、認知から成約に至るまでのパーセプションを簡単に並べます。

客の状態

客の気持ち

代表的な施策

潜在的課題

売上上げたい。

純広告

顕在的課題、潜在顧客

新規が落込んでる。見込客を増やしたい。

記事広告

潜在顧客

広告を打つかべきか、MAを導入するべきか。

検索行動:コンテンツマーケ、検索広告+LP

見込客:検討候補

A社、B社、C社のいずれかのMAにしよう。

サイト訪問:動画コンテンツ、ステップメール、資料請求

見込客:有力候補

A社が良いと思うが、他も捨てがたい。

チャット対応、インナーセールス

見込客:そのうち

導入するならA社で決まりだ。しかしまだ早い。

フィールドセールス、商談、期間限定キャンペーン・クーポン

見込客:今すぐ

契約申込み

既存客

成約。成果を出したい。

カスタマーサクセス

※見込客の事を顕在顧客とよぶ場合もあります。
※サイト訪問したタイミングから見込客と定義します。

このように、商品の認知から成約までのプロセスをパーセプションにまとめて順番に描くと、具体的な施策を思い描きやすくなると思いますのでおすすめです。

対応チャネルのチェック

MAでは、メールで見込客にプッシュ型のコミュニケーションを取る機能が主流です。

が、メール以外にLINEやアプリプッシュ通知、SNSやSMS等でコミュニケーションを取る事ができるツールも多くあります。

また、プッシュ型のチャネル以外にも、自社アプリ上やWEBサイトでのパーソナライズやレコメンド機能や広告との連携、チャット機能等アノニマス(個人情報をまだ取得できていない見込客)に対してもアプローチできる機能を重視しているMAもあります。

少ない例ですが、電話、DM、セミナー、イベント等のオフラインでの活動に重点を置いているMA等もあります。

このようにMAによって活用できるチャネルに差異がありますので、自社が必要とする要件を満たすか確認したうえで選定するようにしましょう。

システム連携・拡張性をチェック

MA導入は既存システムとの連携することで大きく成果を出せる場合もあり、システム連携の要否の検討も重要です。具体的にはECやCRM、SFA、CDP/プライベートDMPなどのシステムが候補としてあげられます。
もしSaasの場合はどういったAPIが公開されているか確認し、システム連携の参考にするとよいでしょう。

また必要な機能が標準搭載されていなくとも、公開されているAPIを使用したプラグイン等をインストールする事で機能拡張できるMAもありますので、プラグインに関しても目を配っておくと安心です。

また、サードパーティがプラグインを開発しプラットフォームで自由に配布・販売できる仕組みを持っている場合等は、システムの拡張性高く非常に幅広い外部のシステム連携対応が期待できます。

導入後の将来性を考えた場合に拡張性は極めて重要になりますので、この点はデータエンジニアも交えて詳細の検討をおすすめします。

執筆者
田中 剛(マーケティングコンサルタント)
マーケティングコンサルタントとして、専門分野はデジタルマーケティング領域(Hubspot、WEBマーケ、SEO、データ分析)を中心に担当。中小企業向けのマーケティングDXコンサルティングほか、大手電力会社・郵便会社などのデータ分析業務を中心に業務に携わりつつ、宣伝会議などでセミナー講師なども行う。

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