そもそもウェブアクセシビリティって一言で言うとなんだっけ?

これはとても簡単で「バリアフリー(支障となる障壁をなくす)」と同意です。
Webサイトのバリアフリーがウェブアクセシビリティです。
参考サイト:総務省 ウェブアクセシビリティとは?
なぜ、これをあえて記載したかと言いますと、イメージがつきやすいからです。
例えば、建物のバリアフリーで、「既存の建物」にバリアフリー対応をする場合、
・階段に手すりをつける→これは頼めそう!
・階段にスロープをつける→階段の構造によってはスロープをつけるのが困難かもしれない?
といった想像がつきやすいです。
ウェブアクセシビリティもバリアフリーと同意です。
既存のWebサイトの場合は、バリアフリー対応が「できるのか」「難しいのか」を「精査すること」が、ウェブアクセシビリティ対応の第一歩!と想像しやすいですし、新しくWebサイトを立ち上げたい場合は、はじめからバリアフリーを「想定して」設計していくことが重要だ!というのがイメージしやすいかと思います。
「いい感じにやってほしい」をうまく着地させるには?
「正直に言うとよくわからないので、いい感じにやってほしい」とお考えの方もいらっしゃると思います。
ウェブアクセシビリティがWebサイトのバリアフリーなのはわかったけれど、具体的にはどういったことかピンとこないからかもしれません。
ですので、なるべく簡単に解説したいと思います!
ウェブアクセシビリティには・・・
①世界標準のガイドラインがあり、日本もそのガイドラインにならっている
ガイドライン=チェックリストやTODOリストとイメージしてもらって大丈夫です。
覚える必要はありませんが、Web Content Accessibility Guidelines 略して WCAG(ダブリュシーエージー または ウィーキャグと読みます)です。
参考サイト:Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2
②ガイドラインの達成基準(やることリスト)にはレベルが設定されている
WCAG(=世界標準のガイドライン)には、最低レベル「レベルA」。その次に「レベルAA」、最高レベル「レベルAAA」とレベルが設定してあります。
(最低)レベルA < レベルAA < レベルAAA (最高)
となっており、レベルAはウェブアクセシビリティの基礎的、基本的な対応と考えていただいて良いです。(個人的にはレベルAAの中にも「今だったら基本的なことだよな〜」というものもあるのですが)
さて、ウェブアクセシビリティ対応では、基本的な「最低限対応した方がいいものがある」というのが見えてきました。WCAG(世界標準のガイドライン)のレベルAは「ウェブアクセシビリティ対応の最低限のスコープ」として見ていいのかもしれません。
では、「WCAGのレベルA」は具体的にはどういった対応内容なのでしょうか?
具体的にはこんな対応を考えていく!
WCAG(世界標準のガイドライン)は4つの原則に分かれていて「知覚可能/操作可能/理解可能/堅牢」です。
それぞれの原則の代表的なレベルAの達成基準(TODOリスト)の内容を記載していきます。
①知覚可能
ウェブページにある情報を知覚できること。
知覚
見たり、聞いたり(触ったり、嗅いだり、味わったり)することで物事を認識し、理解すること。
例えば、ウェブページを「聞いて」理解できるようにすることです。
ウェブページは、スクリーンリーダーで読み上げることによって聞いて情報を得ることができます。
ウェブページに記載されている情報を適切に読み上げることは、レベルA(最低限)の対応のひとつです。
②操作可能
ウェブページのUI コンポーネントやナビゲーションはさまざまなデバイスで操作できること。
UIコンポーネント:リンク、ボタン、入力欄などのWebサイトで何かできる部品のこと。
例えば、ウェブページを「キーボードだけ」でも操作できるようにすることです。
マウスやトラックパッドで操作できていることをキーボードだけでも操作できるようにする対応です。
こちらもWCAGのレベルAの対応のひとつです。
③理解可能
情報およびユーザインタフェースの操作は理解可能であること。
理解可能は、読みやすい、入力しやすい、次に何をすればいいかわかりやすい、といったウェブページのさまざまなわかりやすさをまとめた原則です。
例をひとつあげると、ウェブページのタイトル(タイトルタグ)を適切にすることがレベルAに該当します。
④堅牢
ブラウザーやさまざまな支援技術(スクリーンリーダーなど)でも変わりなくウェブページを表示すること=互換性を保ったウェブページを作ることです。
見た目が美しくても、HTMLがぐちゃぐちゃではスクリーンリーダーの読み上げやキーボード操作がままならない場合があります。
世界標準のHTMLガイドライン(HTML Living Standard)に沿ってウェブページを作る対応です(こちらもレベルAです)。
参考リンク:HTML Living Standard
まとめると
ウェブアクセシビリティはWebサイトのバリアフリー。
現実の建物のバリアフリーと同じように考えると・・・
・既存Webサイトは、ウェブアクセシビリティ対応が、そもそもできるか、できないかのジャッジが必要。
・新しくWebサイトをつくるときは、はじめからウェブアクセシビリティを想定して設計することが重要。ウェブアクセシビリティには世界標準のガイドライン「WCAG」がある。
日本もWCAGにならっているので、WCAGの達成基準(TODOリスト)を対応していくのが良い。
WCAGの達成基準レベルAは、ウェブアクセシビリティ対応の最低限ライン。
まずはレベルAの達成基準を「対応する方向」で進めてみること。
最後に
ウェブアクセシビリティ対応は、各国で法律が制定されています。日本では、2024年4月の障害者差別解消法改正により、合理的配慮の提供が努力義務から法的義務へ移行しました。ウェブアクセシビリティ対応自体に法的義務はありませんが、社会的障壁の除去の観点でウェブアクセシビリティ対応は注目されるようになり、対応が急速に進んでいます。
しかし、対応する事業者側の「過重な負担」にならないように、と明記されています。
第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
引用:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第三章 第八条 2
この先の情報機器の機能によって、ウェブアクセシビリティ対応の内容は変わる可能性はありますが対応自体がなくなることはないと考えられます。
慌てず、堅実で適切なウェブアクセシビリティ対応を続けていくことが、ウェブアクセシビリティ対応で最も重要な考え方なのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
今回は、ウェブアクセシビリティ対応を「発注する」ためのいろはを駆け足でお話しさせていただきました。
お役に立てましたら、幸いです。
もし次回があるようでしたら、
他の企業はどういった対応をしているの?
公的機関はレベルAAを目指しているけど、どうして?レベルAAを目標にすべきなの?
やっぱりレベルAAを目指してみたいんだけど、レベルAと何が違うの?
など、もう少し踏み込んだお話をさせていただければと思います。








