私のデザインのルーツ:アナログからデジタルへの転換点
幼いころから絵を描くことが大好きでした。
「自分の好きなことをもっと追求したい」という素直な気持ちから、大学ではグラフィックデザインを専攻しました。
当時はポスターやパッケージ制作など、実際に手に取ることができるアナログな作品づくりに没頭する毎日を過ごしていました。紙の質感や色の出し方にこだわり、ひとつの形を作り上げていく時間はとても充実していましたが、制作を続けるうちにアナログならではの難しさを感じるようにもなりました。
一番の悩みは、一度印刷してしまうと修正が難しいことです。もっとこうしたいと思っても、作り直すたびに材料費がかかったり、作業場所を確保したりと、物理的なハードルがありました。
そんなときに思い出したのが、小・中・高校生のころの経験です。小学生のころは、身近にあったゲーム機でプログラミングをしていました。ダンス部だった高校生のころは、ひとつのパートを何度も練習しているときに、曲のその部分だけをリピートできるアプリがあったらいいなと思い、アプリを作ったこともありました。大学での制作もしだいにデジタル領域が中心となっていきました。
デジタルの大きな魅力は、なんといっても「何度でもやり直せること」と「試行錯誤のしやすさ」にあります。
アイデアを思いついたらすぐに形にでき、納得がいくまでブラッシュアップを繰り返せる。その圧倒的なスピード感と、自分の想像がどこまでも広がっていくような自由さに、アナログとは違うワクワク感を覚えました。
就職活動でもその感覚を大切にしたいと考え、デジタル領域に強みを持つアイスタに興味を持ち、入社を目指しました。
アナログ制作で学んだ見た目の美しさや細部へのこだわりと、デジタルの自由な表現力。
この両方を活かせる場所で、より多くの人に驚きや楽しさを届けたい。あのころ感じたものづくりの純粋な楽しさを大切にしながら、今はデジタルの力で新しい体験を生み出していくことに魅力を感じています。

「文部科学大臣賞」受賞への道のり:ストーリーで理解する学習法
4月にアイスタに入社してから、7月の試験本番までの約3カ月間。
実務が少しずつ本格化していくなかで、私は「Webデザイナー検定」の学習に取り組みました。今回、大変光栄なことに「文部科学大臣賞」を頂くことができましたが、最初から特別な準備をしていたわけではありません。限られた時間のなかで、自分に合った、無理なく続けられる学習方法を模索した結果だと思っています。
私が一番大切にしていたのは、通勤の往復時間です。
勉強時間をあえて作るのではなく、電車の中というスキマ時間を活用して、コツコツとテキストを読み進めました。忙しい毎日のなかで、移動時間=勉強の時間と決めたことが、無理なく継続できた大きな要因でした。
学習方法についても、自分なりの工夫があります。
私は昔から暗記系の科目には自信があったのですが、単に言葉を丸暗記するのではなく、「その用語がどう使われるのか」というストーリーで理解することを心がけてきました。具体的には、次のようなステップで進めていました。
テキストのセクションをざっと一通り読み込む。
次に、テキストを閉じて「目次」だけを見る。
その目次の項目について、内容を自分の言葉で説明できるか頭の中で唱えてみる。
もし説明に詰まってしまったら、そこが自分の理解できていないポイントです。そこだけを重点的に復習することで、効率よく知識を定着させることができました。Webサイト制作の工程は、企画からデザイン、コーディングまでひとつの流れでつながっています。用語を点として覚えるのではなく、制作の流れとして理解することで、より深い知識として身についたと感じています。

また、一人で黙々と進めるだけでなく、同期の存在も大きな力になりました。試験の直前には、エンジニアの同期と一緒にカフェに集まって、過去問を解き合いました。デザイナーの視点だけでは気づけない技術的な話を教えてもらったり、逆に私からデザインの考え方を伝えたり。職種を超えて教え合う時間は、単なる試験対策以上の学びになり、何よりみんなで合格しようという一体感がモチベーションを支えてくれました。
こうした日々の積み重ねが実を結び、個人として、そして会社としても素晴らしい賞を頂けたことは、私にとって大きな自信となりました。
検定の学びが実務に直結した瞬間
検定を通じて身につけた知識が、ただの試験用の知識ではなく仕事で使える武器に変わったのは、配属されてすぐのことでした。一番大きな変化は、クライアントとの打ち合わせやチーム内での会議で、話の内容がスムーズに理解できるようになったことです。例えば、ディレクターとの進行管理の話のなかで「クリティカルパス」といった言葉が出てきたときや、エンジニアと「ブレイクポイント」の仕様を相談するとき、あるいはプランナーと「ペルソナ」についてすり合わせを行うとき、もし知識がなければ「それってどういう意味だろう?」とそこで思考が止まってしまっていたはずです。現場の言葉を共通言語として正しく理解できていることで、言葉の意味を頭で変換する手間が省け、その分相手が何を求めているのか、今の課題は何なのかといった、より本質的な議論に集中できるようになりました。自分のなかで専門用語が単なる知識から、実務のスピードを加速させる「武器」へと変わったことを実感した瞬間です。入社して間もないころであっても、会議の場で置いていかれることなく、しっかりと話の輪の中にいられる。
それは私にとって、大きな自信につながりました。
また、デザインに対する向き合い方も大きく変わりました。以前の私は、どうしても見た目をいかに綺麗に、かっこよく作るかという視点に偏りがちでした。
しかし、検定を通じてWebサイトができるまでの全体像や、企画・設計の重要性を学んだことで、なぜこのデザインにするのかという目的を常に意識するようになりました。
「クライアントはどんな悩みを解決したいのか」
「ユーザーにとって使いやすい情報の並び方はどうあるべきか」
そうしたヒアリングの内容やコンセプトに基づいた、根拠のあるデザインを考えられるようになったと感じています。ただ言われたとおりに作るのではなく、制作の意図を汲み取り、プロとしてチームの力になっていく。検定での学びは、そんなデザイナーとしての第一歩を力強く支えてくれています。

これからの自分
今回の受賞はひとつの大きな区切りとなりましたが、デザイナーとしての私のキャリアはまだ始まったばかりです。まずは、目の前にあるひとつひとつの仕事に全力で向き合い、自分が得意なこと、そしてこれからもっと伸ばしていきたいことをしっかりと見極めていきたいと考えています。今は恐れずに、とにかく全力で突っ走る時期だと思っています。
私自身、Webサイト制作の裏側を深く知らないままプロの世界に飛び込むことには、最初は大きな不安がありました。しかし、まずは実際に触れて作ってみることの楽しさを知り、検定という学びを通じて「チームの共通言語」を身につけたことで、その不安は少しずつワクワクするような自信へと変わっていきました。この共通言語が自信をくれるという気づきは、これからの業務を続けていく上でも、私にとって大きな力になってくれると思っています。








