クローラツール「Screaming Frog」とは?特徴とできること
Screaming Frog(正式名称:Screaming Frog SEO Spider)は、Googleの検索ロボット(クローラ)に近い挙動でWebサイト内を巡回(クロール)し、SEOに必要なデータを一括収集するデスクトップアプリケーションです。
外部のクラウドサービスではなく、自身のパソコンにインストールして使用するため、高速かつ安全にWebサイトの診断を行えるのが特徴です。
参考記事:【2025年版】SEO対策を初心者向けに完全ガイド!即効性のある実践事例も解説
SEO担当者の必須ツール!Screaming Frogの主な特徴
世界中のSEOマーケターに愛用されているのには、主に3つの理由があります。
高度な分析機能: Webサイト内のリンク構造、各ページのレスポンスコード、メタタグなどを網羅的に抽出可能です。
サーバー負荷が低い: 画像のダウンロードなどは行わないため、動作が非常に軽快です。ターゲットのサーバーに余計な負荷をかけません。
無料で開始可能: 500URLまでのクロールなら無料で利用でき、導入のハードルが低い点も魅力です。中小規模Webサイト向けですが、大規模Webサイトであっても「新規リリースした特定のディレクトリだけを部分的にテストしたい」といったケースで重宝します。中小規模のサイトや、特定のディレクトリだけをテストしたい場合などに最適です。
具体的に何ができる?主な活用シーン
日々のWebサイト運用において、Screaming Frogは以下のようなシーンで威力を発揮します。
インデックス拒否の特定: robots.txtやメタタグで誤ってインデックスを拒否していないか確認できます。
ステータスコードの監視: 404エラー(リンク切れ)や301リダイレクト設定の不備を一瞬で洗い出します。
タグ設定の横断チェック: 全ページのTitleタグやDescriptionタグの重複・設定漏れをリスト化し、効率的に見直すことができます。
【実践】Screaming Frogの使い方完全ガイド
ここからは、インストール後の基本的な操作手順と、SEO効果に直結する診断ポイントを作業フローに沿って解説します。
ステップ1:Webサイトの巡回(クロール)を開始する
ツールを立ち上げたら、まず画面上部の「Enter URL to spider」という入力欄に、自社WebサイトのトップページURL(例:https://www.i-studio.co.jp/)を入力してください。

右側にある「Start」ボタンをクリックすると、ツールがWebサイト内のリンクを次々と辿り始めます。
この時、右端のプログレスバーが100%になるまで待つのがポイントです。ページ数が多い大規模なWebサイトでは、数分間画面が止まったように見えることがありますが、裏側ではツールが全ページの「応答状況(ステータスコード)」や「内部リンクの構造」を一つひとつデータベースに蓄積しています。
途中で止めてしまうと、Webサイト全体の相関関係が正しく分析できないため、スキャンが完全に終わるまで見守りましょう。
大規模Webサイトの場合、全件クロールはサーバー負荷やPCのメモリ負荷が高くなります。管理職としては、あらかじめ「特定のディレクトリに絞ってクロールする」といった社内ルールの策定も検討してください。
ステップ2:レスポンスコードでエラー(404・500系)を抽出
スキャンが完了すると、画面にはWebサイト内の全URLが並び、情報が多すぎてどこを見ればいいか分からなくなります。ここで「不具合があるページ」だけを抽出するフィルタリングを行います。
画面中央付近に横に並んでいるメインタブのなかから、「Response Codes」をクリックします。
タブのすぐ左下にある「Filter」というプルダウンメニューを確認してください。初期状態では「All」になっていますが、ここを「Client Error (4xx)」に変更します。

ここでの「4xx」とは、主にページが存在しない場合に返される「404 Not Found」などを指します。Filterをかけることで、現在Webサイト内でリンク切れを起こしている「リンクの終着点」だけが画面に並びます。ここに表示されているURLは、最優先の修正対象となります。
リンク元のページ(Inlinks)を確認する
エラーURLを特定しただけではまだ不十分です。そのリンクが、Webサイト内の「どのページの、どの場所」に貼られているのかを知る必要があります。
リストアップされたURLのなかから、詳細を確認したいエラー項目を1つクリックして選択します。
次に、画面の一番下の領域に並んでいる小さなタブのなかから「Inlinks(インリンク)」をクリックしてください。
すると、画面下部に別の表が表示されます。このなかの「From」という列に注目してください。
この「From」にあるURLこそが、リンク切れを起こしているボタンやバナー、リンクが設置されている発生源のページです。例えば、「会社概要ページ(From)」から「削除済みの古いサービスページ(To)」へリンクが貼られている、といった事実がここで判明します。
この情報を元に、CMSやHTML編集画面を開き、リンクを削除するか、最新の正しいURLへ張り替える作業を行います。
大規模Webサイトではエラーが数百〜数千件に及ぶことも珍しくありません。すべてを一度に直すのは不可能なため、まずは「主要なコンバージョンページ」や「アクセス数の多いページ」からのインリンク(From)を最優先にする、という足切りの基準を管理者が決めることが重要です。
また、Webサイト全体のURL構造を最適化することも重要です。SEOに強いURLの付け方や、URL構造設計のポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事:URLはSEOに影響するのか?効果的なURL構造のポイントや変更方法を解説
ステップ3:TitleタグやH1(見出し)の最適化
リンク切れの修正と併せて行うべきなのが、コンテンツの整理です。Googleは、Webサイト内に全く同じ役割のページが複数存在することを、検索ユーザーを混乱させる要因として嫌います。これらを整理し、各ページのオリジナリティを明確にすることが内部SEOの肝となります。
参考記事:SEO効果の高いタイトルの作り方。クリック率アップのコツも徹底解説
タイトルの重複をチェックする
ページのタイトル(Title)は、検索結果で最も大きく表示され、SEOにおいて特に重要なタグのひとつです。内容が異なるのにタイトルが同じだと、Googleはどのページを検索結果の上位に出すべきかを正しく判断できなくなります。
メインタブの「Internal」を選択し、画面を右方向へスクロールして「Title 1」という列を探します。
「Title 1」の列見出しをクリックして、五十音順(アルファベット順)に並び替えてみましょう。
画面を上下にスクロールし、「全く同じテキストのタイトル」が連続して並んでいないかをチェックします。

もし、ページの中身が違うのにタイトルが同じであれば、それぞれの内容に合わせて、個別のイベント名を入れる、商品名を入れるなど、ユニークなキーワードを含めた独自のタイトルへ修正する必要があります。逆に、内容自体が重複している場合は、ページの統合を検討する材料になります。
特に大規模Webサイトで発生しがちな「システムの仕様による自動生成ページの重複」などは、手動での修正が困難です。この段階で「システムの根本改修が必要か、手動で直せる範囲か」の切り分けを行いましょう。
見出し(H1)の未設定を抽出する
H1タグは、そのページが何についてのページなのかを検索エンジンと読者の両方に伝える、新聞の見出しのような役割を持ちます。これが設定されていないと、ページのテーマがボヤけてしまいます。
画面上部のタブ一覧から、直接「H1」というタブを選択してください。
次に、画面左上の「Filter」から「Missing(未設定)」を選択します。

ここに表示されたページは、H1タグがそもそも存在しないか、あるいはロゴ画像などがH1として設定されており、テキスト情報として認識されていないページです。SEOを強化するためには、ここを空白のままにせず、ページの内容を端的に表し、かつ狙いたいキーワードを自然に含んだ「大見出し」をテキストで設定するようにしましょう。
ステップ4:抽出データを「組織が動く修正依頼リスト」に変換する手順
ツールの画面で確認するだけでは、実際の修正作業は進みません。特に、エンジニアや制作側に修正を依頼する場合、正確なリストを渡すことがプロジェクトをスムーズに進めるポイントになります。
CSVエクスポートを活用する
Screaming Frogで抽出したデータは、そのままファイルとして保存できます。各タブの右上に配置されている「Export」ボタンをクリックし、CSVやExcel形式で保存してください。

相手に伝わる改善指示書の作り方
保存したファイルをExcelやGoogleスプレッドシートで開き、不要な列を削除して、以下のような構成で整理します。
修正が必要なURL(From URL): どのページを編集すべきか
不備の内容(Status/Issue): リンク切れ、タイトル重複、H1未設定など
具体的な修正案(Solution): リンク先を〇〇に変更する、タイトルを「××」に書き換えるなど
優先度(Priority): アクセス数が多い重要なページや、トップページから近いページを「高」にする
このように、どこを、どう直してほしいかを一覧にすることで、制作側とのコミュニケーションロスを防ぎ、効率的なWebサイト改修が可能になります。
特に大規模Webサイトでは、エンジニア側に『原因の調査』から丸投げすると工数が跳ね上がるため、管理者がこのリストを用いて「打ち手(Solution)」を明確に指定して渡すことが、プロジェクトを予算内に収める肝となります。
ステップ5:XMLサイトマップの作成とエクスポート
クロールしたURLリストを元に、ワンクリックでXMLサイトマップを作成できます。CMSを導入していないWebサイトだけでなく、「CMSの不具合で特定のURLがサイトマップに反映されない時の緊急避難用」や、「大規模なWebサイトリニューアル時に、新URLを一刻も早くGoogleにインデックスさせたい場合の即時申請用」として、管理者が持っておくべき強力な裏ワザです。
2026年の新基準:AI検索(AIO)に適応するための「データ監査」
現代のSEOは、「人間への読みやすさ」だけでなく、AI(Googleの回答エンジン)が内容を正しく抽出できる「AIフレンドリーな構造」が不可欠です。
AIに無視されないための技術的土台作り
どんなに質の高い一次情報を発信していても、Webサイト構造に不備(リンク切れやエラー)があればAIは回遊できず、AI Overview(AIO)などの検索結果に引用される機会を失います。エラーの排除は、AI検索時代において最低限必要な土台作りです。
マシンフレンドリーな構造化データの検証
AIの理解を助ける「構造化データ(JSON-LD)」の実装状況も、ツールによる定期的な監査が必要です。プログラム上でエラーが起きていては意味がありません。AIに正しく情報を読み取らせることが、将来的なトラフィック獲得の鍵となります。
【生成AIに選ばれるWebサイト構造へ】
貴社のWebサイトが「生成AIに選ばれる構造」になっているかを確認するタイミングです。私たちは診断から実装、改善までワンストップでご支援します。
AIフレンドリーオウンドメディア ソリューション
エラー放置のセキュリティリスクとビジネスへの実害
ツールで検知したエラーを放置することは、単なる順位低下以上のリスクを伴います。
「Webサイトの穴」が招く信頼(E-E-A-T)の低下
リンク切れや古い情報の放置は、ユーザー体験を損なうだけでなく、企業としての信頼性や専門性(E-E-A-T)に致命的な悪影響を与えます。特にBtoBビジネスにおいては、Webサイトの不備が「商談の機会損失」に直結します。
なお、近年のAI検索(AIO)対策においても、Googleが「ユーザー第一の高品質なWebサイトを作ることが最大の近道である」と公式に発信しているとおり、こうした従来のE-E-A-T対策の徹底こそが最大の基盤となります。具体的なGoogleの動向や対策方針については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考記事: GoogleのAIモード対策とは?E-E-A-T重視の高品質なサイト作りのポイント
セキュリティ上の脆弱性と攻撃リスク
管理が行き届いていない不要なページやディレクトリは、サイバー攻撃の起点(穴)になる危険性があります。「Webサイトの健全性=企業の安全」と捉え、継続的な監査体制を構築することが重要です。
まとめ
ここまで、SEO業務におけるScreaming Frogの便利な使い方について解説しました。今回はごく基本的な部分を主に説明させていただきましたが、細かい機能が目白押しで高度なSEOを推進するうえで非常に有用ですので、SEOを強化したい方はぜひご活用ください。
クローラによるWebサイト巡回の最適化を終えた後は、AIがWebサイト情報をどのように解釈し、回答に利用するかを理解しましょう。既存のSEO対策に加えて取り組みたい、AI検索に向けた最適化手法(AIO)の概要をこちらで紹介しています。








