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営業部門のためのマーケティングオートメーション

デジマ担当
2023-04-20
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なぜマーケティングオートメーションが出てきたのか?

ここでは日々営業活動を最前線でけん引する営業部門の方に向けてまとめます。なぜマーケティングオートメーションが注目を集めているのか。これからマーケティングオートメーションの導入を検討している方、若しくは既に導入しているが上手く使いこなせていない方に役立てば幸いです。特にマーケティングオートメーションを導入したが使いこなせない方が非常に多いといわれています。

マーケティングオートメ―ションが注目され始めた理由について述べます。アポイントをとった見込み客がソリューションについて思いのほか詳しく、アポイントの時点で既に勝敗が大方決まっているケースが増えていないでしょうか。見込み客は既にインターネットで情報収集を済ませ、比較検討のフェーズまで進んでいるケースが増えているためです。 特にアウトバウンドで得た見込み客が既に比較検討中である場合、競合となる有力候補を追い上げる必要があります。従ってアポイントを取る前から見込み客とのコミュニケーションや行動情報を得ている企業が有利な傾向があります。このような見込み客の行動変化に対応するためにマーケティングオートメーションが注目されるようになりました。

個々のマーケティングオートメーションのツールによって機能は異なりますが、見込み客が自社のWebサイトに訪問すると、見込み客の情報や行動などに応じて適切な情報を提供したり、またどのようなページに興味を持っているのか閲覧情報を把握することができます。また、ツールによっては見込み客のオンラインでの行動をリアルタイムに把握することができるためベストなタイミングを知ることができます。

このようにマーケティングオートメーションを活用することによって、成約確度の高い見込み客のさまざまな情報を得ることができるようになります。一方で導入したが上手く使いこなせない方も非常に多いと言われています。

MAに有効な営業分業体制

マーケティングオートメーションを活用して営業を行う場合、従来と異なる点があります。見込み客リストの上から順番にメールや電話でアポイントを取るタスクは減り、マーケティングオートメーションが見込み客の行動情報からリアルタイムに通知を受けるケースが増えます。 例えばWebサイトから資料請求を受けたタイミングや、以前セミナーに参加いただいた見込み客がメールを開封しWebサイトにアクセスしてきたなどアクティビティに応じてリアルタイムにスコアリングされホットな見込み客が通知されストックする仕組みとなります。

そのため、効果的にマーケティングオートメーションを、ワークフローに組み込むよう体制を見直すことをお勧めします。 従来の業務フローではひとりの営業に託される業務領域は非常に幅広く多様なタスクがあります。(業務フローは企業によって差異がありますので、ご自身のビジネスに置き換えて読み進めてください。)従来の営業は下記のように幅広く領域を営業が担っています。

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この従来のプロセスでは、電話・メールの時点で見込み客の情報があまりに限定的でどのような状態か知る由がありません。そのため、無駄打ちも多くなかなかアポイントに進めません。 また、接客や提案・トラブル対応などに追われていると電話やメールの対応がおろそかになってしまいがちです。これでは見込み客へのベストなタイミングを知らぬ間に逃してしまうことになります。 また、ファーストコンタクトの電話・メールのタイミングが見込み客にとってベストなタイミングではなく、営業にとって都合のよいタイミングとなってしまうことも機会を失う原因となります。

アポイントを取り商談に入る際には、そもそも今の見込み客の課題は顕在化しているのか?解決策を検討しているフェーズなのか?あるいは、既に解決策は決まっておりソリューションの比較検討のフェーズなのか?そうであれば決定のポイントは?優先順位はなにか?競合サービスの導入を検討しているが他社サービスとも比較したいようだなど、このような情報をどの程度持っているかでセールスの対応も変わって来ると思います。

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このような見込み客が自由にオンラインで情報収集できる状況下では、アポイントをとった見込み客の状態も多様化しています。このような状況に対して、営業活動を「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」と分業することで、効率よく情報を収集するケースが今では主流となっています。

「フィールドセールス」は見込み客と対面で提案・折衝を経て案件化・受注までを担います。 「インサイドセールス」はメールや電話で見込み客のどのような課題が顕在化しているのかヒアリングし、確度の高い見込み客を「フィールドセールス」に渡します。 「マーケティング」は、オンラインなどで情報収集する見込み客に対してコンテンツを用意したり情報発信を行います。確度の高い見込み客を「インサイドセールス」に渡すのです。

マーケティングオートメーションは見込み客のメールの開封状況やWebサイトへの来訪情報などをトラッキングした上で、行動に応じたアクションをシナリオ通りに自動で行うことができます。シナリオやコンテンツの制作を日々行うことなる。

このような分業体制により数をこなすことが困難なフィールドセールスに確度の高い見込み客に集中して、成約率の向上を狙うのです。

マーケティング

マーケティング領域ではマーケティングオートメーションが最も活躍する領域となります。主にオンラインで情報収集している見込み客に対して効果的な情報提供を行います。マーケティングオートメーションでは見込み客を「集める(リードジェネレーション)」「育成する(リードナーチャリング)」「評価してセールスに渡す(リードクオリフィケーション)」という大きく3つのステップを抑える必要があります。

獲得(リードジェネレーション)

まず、見込み客を集める段階では、WebサイトなどにSEOやWeb広告などによってタッチポイントを作ります。サーチエンジンで情報収集している見込み客の流入を増やすためのコンテンツを作成することが有効です。また、検索の他にも広告からの流入の受け皿となるLPの作成や、eBookなど生活者が求める情報を用意します。 また、オフラインでのセミナーなどで集めた見込み客もMAで合わせて管理します。

育成(リードナーチャリング)

見込み客に対して情報提供し、サービスや商品の魅力や強みを訴求するコンテンツを用意します。また、弱みやネガティブなポイントを払拭するコンテンツも必要です。メール、リターゲティング広告、プッシュ通知などで再来訪を促しつつ、見込み客を育成します。

評価(リードクオリフィケーション)

多くのWebサイト訪問者の中からアクティブでホットな見込み客を抽出しインサイドセールスにつなげます。見込み客の行動情報や属性情報からスコアを予め決めておくことで、一定の閾値に達したホットな見込み客をインサイドセールスに通知するのです。

これらの目的に合わせた顧客体験を設計しコンテンツの制作やシナリオ設計を行う必要があります。また、それぞれの各フェーズでのKPIを予めさだめ、日々成果を検証・是正していくことが重要です。

インサイドセールス

インサイドセールスはマーケティングオートメーションから渡されたホットな見込み客にメールや電話で個別に対応を行います。マーケティングからインナーセールスにつなぐことをMQL(Marketing Qualified Lead)と呼びます。主に商品やサービスの説明だけでなく、見込み客の情報のヒアリングを行います。 インサイドセールスは客先訪問などを行わないため効率よく対応できます。フィールドセールスがインナーセールスを兼務してしまうと提案や顧客の対応状況で、見込み客の対応がたびたび滞ってしまいタイミングを逃してしまうことが増えるでしょう。そのようなことを回避するためにもインサイドセールスは分業することをお勧めいたします。 インサイドセールスでは見込み客1人当たり30分程度の電話対応の場合、1日に最大16件程度こなすことが期待できます。その中から確度の高い見込み客をフィールドセールスに渡すことになるのです。また、フィールドセールスが時間を余している場合は、ホット度が低い見込み客でもフィールドセールスに渡すなどの調整を行います。

インサイドセールスで見込み客から提案を求められたり、具体的な商談の話に至ったらフィールドセールスにつなぐことになります。この際にインサイドセールスが得たさまざまな情報も併せてフィールドセールスにつなぎます。 また、ここで見込み客が商談にがつながらないことが明らかになった場合は、再度マーケティングに戻します。

フィールドセールス

インサイドセールスからホット度の高い見込み客を引き継ぎます。ここから顧客とアポイントを取って案件化に向けてクロージングします。フィールドセールスは、外回りや提案にリソースが必要となりがちなため、1人当たり1日に2~4件程度しかこなすことができません。そのためできる限り効率よくホットな見込み客がフィールドセールスには必要です。 ここで商談に至らなかった見込み客は「見込みなし」とするか、マーケティング領域に戻し再びアポイントのタイミングを図ります。

まとめ

ここまでの流れを通してマーケティング担当者は、マーケティング領域だけではなくフィールドセールスやインサイドセールスの領域の状況をくまなく確認する必要が出てまいります。MQL、SQLした見込み客が成約に至ったか、商談に至らずマーケティングに受け入れる見込み客数などKPIを定め推移を計測し、各種マーケティング施策の改善を行う必要があるのです。

特にB2B企業の中には、マーケティング部門を持たないことも多いと思います。マーケティング部門まではなくとも、できるだけ紹介した業務を担う担当者をアサインすることをお勧めいたします。

編集者
デジマ担当
主に自社のWebサイト運用が業務。SEO対策、コンテンツ制作、SNSやWeb広告の制作、メール配信、アクセス解析ツールを用いた効果測定と改善提案、リード獲得から育成までの施策設計など、デジタルチャネルを活用したインハウスマーケティング業務全般を行う担当者。

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