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当たり前のことを当たり前に。多様な経験を積み上げた先で得たTDとしてのバランス感覚とディレクション力

阪中 陽介(テクニカルディレクター / エンジニアリングマネージャー)
2024-10-21
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《 ピープル 》は 幅広い業務で活躍するメンバーに、仕事の向き合い方からプライベートまでじっくり話を聞くコーナーです。

当たり前のことを当たり前にやる。

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これまでの経歴・入社経緯を教えてください。

「エンジニア歴としては12年。前職もWeb制作会社で、フロント、バックエンド領域まで一通り経験していました。自身の技術領域が広がり、テクニカルディレクター(以降、TD)として開発に関わる案件も増えていく中で、よりレベルの高い環境でスキルを高めたい気持ちが強くなりました。

そんなタイミングで、博報堂アイ・スタジオ(以降アイスタ)に転職した元同僚から話を聞いたんです。実際の仕事からも技術レベルの高さが窺え、エンジニアとしてのキャリアが広がりそうだなと惹かれました。」

自分自身をどんなエンジニアだと思いますか?

「普通のエンジニアです(笑)。エンジニア職としての意識の前に、人として『当たり前のことを当たり前にやる』ことを昔から大事にしています。

基本も基本ですが...一緒に働く人にはリスペクトの気持ちを忘れずに接しています。クライアントはもちろん、協業するエンジニア、デザイナー、ディレクター...人によって対応を変えることはせず、誰に対しても真摯に向き合うようにしています。仕事に対しても、実装内容や案件を選り好みせずに引き受けますし...馴染みがない商材・サービスがあれば、自分なりに勉強してから作業に入るようにしています。

エンジニアあるあるなのですが、ソースコードに向き合う時間がどうしても長くなってしまうので、サイトの掲載情報もただの文字列として見てしまうこともあるんです。けれど、その情報はユーザーにとっては意味があるものですし、それが何を示しているのかを理解して、誰かが目にする情報として扱う意識を忘れないようにしていますね。」

エンジニアだからできるプロジェクトデザイン

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TDとして活躍していると伺いました。入社して変化したことはありますか?

「やることは大きく変わらないですね。自分で手を動かしつつ、開発全体を見ています。ただ、TDとしての立ち回りや考え方は以前より柔軟になったかもしれません。自分だからできるリードが少しずつ形になってきている気がします。」

最近、印象に残った案件はありますか?

「某出版社のサービス企画・開発案件ですね。既存プラットフォームへの新機能の追加実装だったのですが、連携すべき技術領域が各所にまたがっていたので、技術者の数も多かったです。社内はフロント、バックエンド、インフラで9名くらい。既存サイトの運用を行う外部ベンダーなどを合わせると、エンジニアだけでかなりの人数でしたね。各領域の担当者の間に立ってコミュニケーションをとりながら、今ある設計と追加機能との技術的な整合性を取れるように動いていました。

また、アウトプットとしての品質も担保する必要があります。技術的に整合性が取れていても、個別事象的な形で仕様や設計を考えてしまっていると、融通が効かなくなってしまい、思い描いていた体験を狭めてしまうことがあります。技術的な整合性はもちろん、全体の体験設計を念頭に置きながら、バランスを模索すべく立ち回った案件でした。」

思考を止めない柔軟なプロジェクトリード

立ち回りや考え方が柔軟になったとのことですが、具体的にどんなことでしょうか?

「もともとの性格もあるのですが...最初に自分の周囲の環境を徹底的に整えるのが好きなんです。最初に考え抜いておくことで未来の自分が楽できるので。

自分の思考に必要な前提条件や、材料を洗い出し『こういうやり方ならできる。むしろ、こうやった方がもっといいかもしれない。』を自分の中で壁打ちした上で、協業するメンバーとコミュニケーションしながらスタートを切るようにしています。プロジェクトが始まった後も同様です。思い通りにいかない事象も発生しますし、そうなった時にも『できない。』と自分の思考を止めずに、柔軟な頭でいるようにしています。

実装の責任者として、ローンチから逆算した細かなマイルストーンの見通しを立てることができますし、仕様を握っているので、絶対に守らなければいけないポイント、許容できるラインも把握しています。自分がフロントに立って、クライアント、プロデューサー、UXデザイナー...プロジェクトメンバーのそれぞれの立場・思考を捉え、今できる最大値を取れるように意見していくのはやりがいがあります。制約が多い案件こそ、頭を捻る楽しさがあるなと思いますね。」

経験を積んだからこそ、視界も広がったんですね?

「そうですね。入社以来、様々な領域・技術要件を経験してきました。ひとつひとつの案件に向き合いながら、思考し続けたことで、選べるアプローチの幅は確実に広がりましたし、自分自身の判断の精度が高まってきた感覚もあります。場数を踏んだ今、TDとして現場に入ることが一番面白いですね。」

エンジニア組織のプレイングマネージャーとしての今後

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今後取り組みたいことはありますか?

「後進の育成を通じて、組織全体の技術レベル向上に向き合っていきたいですね。自分自身のスキルアップはもちろんですが、年次を重ねるにつれて、エンジニア組織としてのレベルアップ・成果を意識するようになりました。
スキルアップにおいても、ある日突然何かができるようになるわけではなく、一つひとつの仕事と向き合い、経験を積み重ねることが大事だと考えています。何事も基礎からです。技術をスキップさせない、トレースさせない。自分で考えて組み立て、きちんと自分の力で経験を積み上げることができる環境を作れるように、組織の中で働きかけていきたいです。」

プレイヤーとして挑戦したいことは何ですか?

「まず、実装表現の幅を伸ばしていきたいです。演出だったり、データビジュアライズだったり、どんなクリエイティブ、表現でも叶えられるように勉強しながら技術レベルを上げ続けたい。

それ以外のところで言うと、より広く深く、ですかね。インフラ、アプリ、開発領域…様々ですが、一通り経験ができる環境なので、網羅的にチャレンジをして、さまざまな要件に応えられるエンジニアになりたいです。自分の中で、知らない、やったことがない領域を潰していき、自分にとっての「当たり前」のレベルを高め続けていきたいなと思います。」

取材・執筆:小宮 恵里花
撮影:小坂 夏未

出演者
阪中 陽介(テクニカルディレクター / エンジニアリングマネージャー)
学生時代はゲームプログラミングを専攻。
エンジニアとして2社経験後、 2019年博報堂アイ・スタジオに中途入社。
3年働いた後にマネージャーとなり、フロントエンドエンジニアの1グループ運営を行っている。趣味は映像鑑賞全般と自作PCのカスタマイズなど。唯一の海外旅行経験はアイスランド。

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